
- 雪が積もったある日、
みんなは大よろこびで外に出ました。 - 「そうだ!これを使って雪だるまをつくらない?」
- クッキー・アンはそう言うとカバンの中から
いろいろなものを取り出しました。 - 「わぁ、すごい!」
「つくろう!」「つくろう!」
みんなが思い思いのアイデアを
出しあって、
世界にひとつだけの
雪だるまが完成しました。
- 「ちょっと寒くなってきたね。
そろそろ帰ろうか」 - 帰り支度を始めてまわりが静かになると、
少し不安そうにダッフィーが言いました。 - 「雪の中って、なんだかすごく静かだね」
- するとオル・メルがとっさに言いました。
- 「ねぇ、“雪の日のひみつ”って知ってる?」
- 「ひみつ?」
- リーナ・ベルはすかさず
虫メガネを出して
あたりを見渡しました。 - 「うーん、どこにも見あたらないけど」
- 「虫メガネでは分からないかも。
みんな、目を閉じてみて」 - ひゅー ひゅー 雪の日の風の音
シャラ シャラ シャラ 風で枝が揺れる音
ぱた ぱた 枝から雪が落ちる音
- 「ホントだ!目を閉じるとすてきな音が
いっぱい聞こえてくるんだね」 - 「“雪の日のひみつ”って楽しいね」
- 「ぼく、この音を聞きながら帰りたいな」
- ダッフィーが目を閉じたままつぶやくと
クッキー・アンが言いました。 - 「でもそのまま歩くと危ないんじゃない?」
- 「大丈夫。“雪の日のひみつ”に一度気づくと、
目を閉じなくても聞こえるようになるんだよ」 - オル・メルはにっこり笑って、
ダッフィーに言いました。 - みんなは“雪の日のひみつ”に
心おどらせながら家に向かいました。